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「1秒」の定義ってご存じですか?

「1秒」の定義ってご存じですか?

1秒とは…
 現在では、国際単位系(SI)において
 「セシウム133原子の基底状態にある2つの超微細構造準位の間で遷移する際に
 放射される電磁波の周期の 9,192,631,770 倍の継続時間」
と定義されています。

何言ってんだかよくわからないかもしれませんが、要は
セシウムという原子が刻む「91億9263万1770回」というリズムを数えて、
「はい、これで1秒!」と定めてます。

以前は、地球の自転だか公転だかを基準にしていたりもしましたが、
より精度を求めた結果、この手法を採用しているようですね。

さて、なんで突然一秒の話を書いたかというと
実は今、世界中の科学者たちが「今の1秒、ちょっと精度甘くない?
もっと完璧な1秒にアップデートしようぜ!」と
という話があるからです。

今回は、2030年に向けて進んでいる「秒の再定義」という話をご紹介します。

「91億回も刻んでるなら十分じゃない?」と思いますよね?
ところがどっこい。科学の世界では、これでも「ちょっとだけ誤差がある」と見なされるようです。

ちなみに精度的にいうと
 3000万年に1秒のずれ。
 科学的な表現: 精度は「15桁〜16桁」と言われます。
 これは、1秒を1000兆分の1秒という誤差で正確に計り取れることを意味しています。

それだけ、精密でも科学的には精度が物足りないとのこと。
そこで登場したのが、日本発の技術「光格子時計」です。

さて、光格子時計がどうやって「究極の精度」を実現しているのか?
 セシウム時計が「ふわふわ動く原子」を数えていたのに対し、
 光格子時計は「原子を完全に整列させて、逃げ場をなくす」という技を使っています。

 まず、真空状態の箱の中に「ストロンチウム」という原子を放り込みます。
 ここに強力なレーザー光を上下左右から対向させてぶつけます。
 すると、光が重なり合って「光の波の山と谷」ができます。

 これが「光の格子」です。
 この中に、数千個から数万個のストロンチウム原子を流し込みます。
 すると、原子たちは一つずつその光の穴(格子の穴)に「スポッ」とはまります。

セシウム時計のときは、原子が自由に動き回っていたので、
ぶつかったりしてリズムが乱れていました。
光格子時計は原子を個室に監禁して動かなくするのでリズムが全く乱れない。

個室に入れられた原子たちのリズムを、別の「時計用のレーザー」で計測
このリズムは「1秒間に数百万億回」という、とんでもない速さです。
この振動を数えることで、「1秒」をものすごく細かく切り取ることができるようです。

なぜこれが精度が高いのか?
 これまでの時計は、原子が動き回ってしまうため、
 どうしてもドップラー効果のようにリズムがずれていました。
 しかし、光格子時計は「原子を動かさない」という画期的な方法を発明したため、
 圧倒的な精度を叩き出せるようになっています。

ちなみに精度的にいうと
300億年に1秒のズレとのこと


さて、精度があがったところで特に我々には関係あるの?というのが、
気になるところだとは思いますが、具体的には以下の恩恵があるようですね。

① 「GPS」が精度が飛躍的に向上
 今使っているスマホのGPSは、実は数メートル〜数十センチの誤差があります。
 光格子時計を使うと、この精度が「ミリ単位」にまで向上します。
 (時間と距離には密接な関係がありますからね)
 
 それにより、自動運転の安全性・精度の向上や
 詳細に位置指定ができるため、ドローン配送のような技術も実現が考えられるようになるそうです


② 地球の「ゆがみ」が見える(地震・火山の予知)
 重力と時間は密接に関係しています(アインシュタインの相対性理論)。
 光格子時計は「重力のわずかな変化」を時間差として感じ取ることができるため、
 地下にあるマグマの動きや、プレートのひずみによる「重力の変化」を検知して、
 地震や噴火の予兆をこれまでよりもずっと早く見つけられるようになる可能性があります。
 資源の埋蔵場所(重力が少しだけ違う場所)を正確に特定できるようになるかもしれません。


③ 「インターネット」の速度向上・安定化
 時計の同期が完璧になれば、データ通信のタイミングがずれることによる
 「ロス」がゼロになります。結果として、通信速度が劇的に速く、安定したものになります。

等々…
色々恩恵があるようです。

2030年の「秒のアップデート」に向けて、
世界は今、まさに新しい時間の刻み方を研究している最中のようです。

いつか、1秒の定義が変わったとき「ああ、今この1秒は、日本発のすごい光の技術で守られているんだな」なんて思ってみると、
いつもの1秒がちょっとだけ特別に感じられるかもしれませんね。