なぜゴミ袋だけ忘れるのか?
みなさん、こんな経験はありませんか?
「今日の帰りに、卵と、お酒と、あと切らしてたゴミ袋を買って帰ろう」
そう頭の中でしっかり決めて、いざお店へ突入。 店内をまわり、レジを通って、ホクホク顔で帰宅。
カバンから荷物を出してみると……
「卵」
「お酒」
「なんとなく目が合ってカゴに入れたお惣菜」
「特売になっていた焼き鳥」
……お気づきでしょうか。 手元にはバッチリ4つの商品があるのに、一番切実だったはずの「ゴミ袋」だけが綺麗さっぱり消え去っているのです。
「嘘だろ……。私の記憶力、大丈夫か?」と絶望したことのある方、いるのではないでしょうか? 安心してください。あなたの脳が衰えているわけではありません。これは人間の脳に標準搭載されている「ワーキングメモリのバグ」の仕業なのです。
原因は、脳のメモリが「ショボすぎる」から
人間の脳には、一時的に情報を記憶しておくための「ワーキングメモリ」があります。
パソコンでいう「メモリ」みたいなもので、机の上でいう「作業スペースの広さ」のようなものです。
この脳の作業スペース、実はめちゃくちゃ狭いことが科学的に分かっています。
ミズーリ大学などの研究によると、人間が一度に(=特に必死に暗記しようとせず、無意識に)
キープできる情報の数は、たったの「4つ前後」が限界とされています。
つまり、「卵・お酒・ゴミ袋」の3つを覚えている時点で、脳の作業机はすでに7〜8割が埋まっている状態。
そこにお惣菜のいい匂いや、タイムセールのポップといった誘惑がなだれ込んでくると、
脳の作業机から「ゴミ袋」というメモがポロッと床に落ちて、記憶の彼方へ消え去ってしまうのです。
「勉強や訓練をすれば、もっと覚えられるんじゃないの?」
って、勉強熱心な方ならこう思うかもしれません。
勉強や経験を重ねることで、一度に処理できる量は劇的に増えまるといえば増えるらしいですが、
これには脳の面白いカラクリがあり、 実は、勉強しても4つ前後という限界ということ自体は、
天才であっても人類一律で1ミリも増えないとのこと。
じゃあ何が変わるの?というと、脳の「データの圧縮技術」を上げているのです。
例えば、
買い慣れていない人:
⇒「卵」「お酒」「ゴミ袋」「ひき肉」「玉ねぎ」「カレールー」
= 6つのバラバラな情報(キャパオーバーで忘れる)
料理のプロやベテラン:
⇒「卵」「お酒」「ゴミ袋」+『キーマカレーの材料(ひき肉・玉ねぎ・ルーを1つに圧縮!)』
= 4つの情報(机の上にスッキリ収まる)
できる人が多くのものを記憶して処理するのは、この圧縮技術が優れており、
何個もある情報を「あ、これは〇〇のパターンね」と1つの塊にまとめて理解しているから、
ということみたいです。
貧弱な脳の仕様に打ち勝つための、唯一の生存戦略
この脳の仕様を踏まえた上での、確実な対策は1つしかありません。
「脳のメモリを信用せず、外部ストレージ(つまりメモです…)に秒で書き出す」
これに尽きます。
「3つくらいなら覚えていられる」という過信は禁物。
店に入る前に!思い立ったときに スマホのメモに「ゴミ袋」と打ち込む!
これで、買い物リストを覚える必要なし!
脳のメモリは、買い物リストを覚えるためではなく、
「どのお惣菜が一番魅力的か」を吟味するために100%使いましょう。
みなさんもお買い物の際は、メモを有効利用して
確実に「ゴミ袋」を勝ち取ってください。
…ちなみに、私は「スマホにメモしたこと」自体を忘れて、結局ゴミ袋を買い忘れました。






