将棋とIT
第3システム部の石垣です。
将棋の世界とIT分野の関わりについて語りたいと思います。
きっかけは個人的に将棋ファンであるのに加え、去年から今年にかけて衝撃的な出来事があったからです。
以下ざっくりとですがその一連の流れになります。
【昨年秋】
ある将棋のプロ棋士が対局中(休憩中等) にコンピュータソフトを不正使用(カンニング)したという疑いで日本将棋連盟から対局出場停止処分を受ける。
疑いをかけられた棋士は、これを否定し抗議文を提出。
日本将棋連盟が第3者委員会へ真相の調査を依頼。
【昨年末】
コンピュータソフト使用の事実は認められなかったと第3者委員会が発表。
この間、当該棋士は対局出場は停止。
【今年】
一連の騒動と疑いをかけ対局出場停止にしてしまった棋士への責任をとり日本将棋連盟会長が辞任。
このような流れです。
ここまで大事に至った背景として挙げられるのが、将棋のコンピュータソフトが年々棋力を上げ、その実力がはっきりと認められたということです。
ここ数年でプロ棋士と同等、もしくはプロ棋士にも勝ち越すレベルにまで到達しています。
以前まではソフトの実力はまだまだでした。
仮に対局中にコンピュータソフトを使用したとしても、プロのレベルにおいては影響を与えるほどのものではないと考えられてきました。
今回の将棋界の出来事はIT分野の目覚しい進歩故に起きてしまった弊害ともいえ、今後も色んな分野で論争が巻き起こるだろうと思います。
とここまでバッドな方向の内容を書いてきましたがITの進歩による良い面もあります。
コンピュータソフトには今までの人間の感覚では指せないような斬新な手をバンバン指したり、独自の定石開発を自立的に行っているAIソフトなどもあり、底知れないポテンシャルを見せだしています。
そんな進歩を続けているコンピュータソフトを上手く活用することが出来れば、将棋界の更なる発展に役立つだろうということが期待されます。
ちなみにボードゲームでいうとチェスでは何年も前にグランドマスター(世界チャンピオン)がコンピュータソフトに敗北しています。
囲碁においてもソフトがプロレベルへと実力を上げ、話題となるほどコンピュータソフトの研究開発が進んでいます。
そんなコンピュータソフトとのコラボレーションとして、将棋界ではソフトと棋士のタッグマッチ(思考の共有)や、ソフトVS棋士の団体戦などを生中継放送されるなど、新たな一面や楽しみ方が確立されつつあります。
最近は特に将棋に詳しくない人でも楽しめるような将棋イベントや対局の解説番組などが放送されていたりもします。
興味のある方はぜひ一度視聴されてみてはいかがでしょうか。